月桃農家 大城さん | 糸満市

10年前に埼玉県からUターンし、息子と月桃専門の農家を営む月桃農家の大城さん。

− 月桃作りを始めてどのくらいですか?

大城さん(以下、大城) 10年になります。

− 月桃を作り始めたきっかけは何ですか?

大城 もともと、私の両親が農家で、野菜やい草を栽培していました。農連市場に出荷に行った時、別の農家が月桃の葉を売っていて、これが結構売れるので、畑の脇に植え始めたのがきっかけです。私はその頃、埼玉県に住んでいたんですけれど、父親が病気になって10年前に息子とこっちに戻ってきました。ムーチーの工場から、父親のところに毎年大量の注文が入るので、月桃の畑をどんどん増やしていって、今は月桃専門農家です。

− 月桃専門って珍しいですよね。

大城 ほかにないと思います。私はここの地域の出身なんですが、昔はこの辺り一体畑だったんですよ。みんな真面目でね。い草作ったり、サトウキビ植えたり。この畑の横の山も今は草ボウボウですけど、当時は細かく区切られていてね、もち主がいっぱいいるんですよ。山の木を薪にしたり、牛の餌を取ったり、みんな働き者でしたね。今はやる人がいなくて、荒地になってますが、仕方ないですよね。だから息子にも「人がやらないことをやりなさい」って言ってます。

月桃農家

− 収穫時期はいつですか?

大城 一番忙しいのは、ムーチー(鬼餅)用の注文に合わせた11月頃です。ムーチー用は餅が包めるように葉が大きくないといけないので、その時期に合わせて葉が大きくなるよう調整していきます。夏は台風が来ると、葉が割れて使い物になりません。だから台風シーズンが終わる10月頃から手入れして、出荷できるようにしています。オイルなどの化粧品や野菜パウダー用の月桃は、葉のサイズに決まりはないので、時期関係なく収穫できます。月桃は殺菌作用もあると言われているので、虫除けスプレーなどにも使われているんですよ。

− 月桃を上手に栽培するコツはありますか?

大城 植える時は株の間隔を離して植えた方がいいです。月桃はショウガ科なので、地下茎がどんどん横に広がっていくんです。間隔が詰まってくると成長が悪くなります。それと、半日影を好む植物なので、日の当たり具合も気をつけたほうがいいですね。あとは自然に任せています。

月桃

− 以前から農業の経験はあったんですか?

大城 息子は埼玉生まれ埼玉育ちですけど、私はここの出身なので、子どもの頃に手伝っていた記憶はあります。当時はあまり好きではありませんでしたが、今思うとやっておいてよかったですね。経験が役立っていると思います。それにこの歳になると自然に触れ合えるのはいいなぁと思いますね。気楽だし(笑)。今が一番いいです。

− 月桃パウダーはいかがでしたか?

大城 いろいろ使えそうですよね。塩やスパイスなんかと混ぜてもいいと思いました。

− 今後計画されていることはありますか?

大城 この山の向こうの海側の土地を開墾して、月桃畑を増やそうと思っています。ひとつの畑で商品になる月桃は30~40%くらいなんです。実はまだまだ足りていません。パウダー用にももっと出荷できたらうれしいです。楽しみながら続けていきたいと思っています。